Greetings from President

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筑波大学長 永田 恭介

親愛なる皆様へ

筑波大学長 永田 恭介

今年で11年目を迎える「つくばグローバル・サイエンス・ウィーク(TGSW)2021」に皆様をお迎えできることを大変嬉しく思います。

2019年に、TGSWと基本的な考え方、たとえば若手中心という考え方、を同じくする「筑波会議」を新たに立ち上げました。TGSWが研究の側から社会への還元を大きな視点とするのに対して、「筑波会議」は科学と社会というメインテーマを掲げて、社会の側から研究を見つめるといった様態となっています。第2回目となる筑波会議2021が今年9月に開催されますが、それにあわせて、今年のTGSWは、筑波会議のサテライトイベントとして実施いたします。

筑波大学の歴史は、明治政府が日本で最初の高等教育機関である師範学校として設立した約150年前に遡ります。そして今から50年近く前の1973年10月、本学は東京からつくば市に移転し、総合的な高等教育機関として生まれ変わりました。

筑波大学は開学以来、社会や世界に開かれた大学を目指してきました。そして今も、国間、産学官組織間、学問分野間などに存在するあらゆるボーダーを越えて、学際的な教育・研究を進めています。このような理念のもと、多様な学問分野のみならず、様々な国から多くの参加者が集うTGSWを開催しています。TGSWは、最初はひとつの学問分野に焦点を当てたイベントでしたが、現在では30カ国以上から著名な研究者をお招きし、自然科学から人文科学まで幅広い分野のセッションを提供しています。

TGSWは、本学のみならず筑波研究学園都市を拠点とする国公立等の機関や海外の協定校を含め、行われている世界最高水準の研究を紹介する場であり、世界の研究者との交流の場となっています。しかし、TGSWはそれだけではありません。激動するグローバル化した社会では、例えば、まさに新型コロナウイルス感染症が蔓延していますが公衆衛生の問題、食糧危機、エネルギー問題、環境リスク、果てしない戦争、貧困など、地球規模の様々な課題が噴出しています。これらの課題を解決するには、国境を越えたイノベーションのためのコラボレーションが必要であり、専門分野、市民権、民族、性別、信仰、世界観などに関係なく、より大きな科学者のコミュニティが集まり、密接に協力しなければなりません。TGSWは、既存のあらゆる障壁を打ちり破ることにより、これらの課題にどうやって対応するかについて意見を交換するための貴重なフォーラムとして機能しています。

TGSWが対象とする範囲は非常に広く、多岐にわたっています。国際的に活躍する研究者と、つくばを中心に活躍する若手研究者・学生が一堂に会することで、幅広いテーマをカバーし、国境や分野を超えて活発な交流が行われています。また、TGSWは、学際的、組織横断的、国境を越えた共同研究のための国際的なネットワーキングのためにも最適の場といえます。

いま我々は、地球規模のパンデミックが決定的な引き金となって起こっている社会システムの急速な変革の真っ只中にいます。またこのパンデミックを乗り越えた先にある人類の未来についても考えていかねばなりません。世界がそのような共通の重要課題に直面しているこの特別な時期に、多様な学術的な議論とネットワークを深めることは、まさにTGSWの使命です。今年のTGSWは、オンライン形式で開催します。国境を越えたより多くの方々のご参加を歓迎します。

最後に、ご参加くださる皆様に改めて感謝申し上げるとともに、様々なセッションを通じて実りある対話が生まれることを心より願っております。

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